病院に昇る月
平成31年1月のある日の夕方の事である。買い物の帰りの車の中から、病院の背景に月が昇ろうとしている風景をみた。平成元年に開院したが、今年の平成31年5月1日には新元号が始まる。平成年間は私の人生にとって、大きな出来事が沢山あった。どうにか、やっとの思いでここまで来たという感...
ガラスの城
ホテルに飾られた目を見張るシャンパングラスのピラミッドを見た。光輝くその造形に見入ったが、一瞬、頭をかすめた事があった。それは、土台を支えるグラスがあってこその、頂点に立つ、一個のグラスがあり得るのだな!という事であった。これを、日常の自分の生活に、また、仕事に当てはめてみ...
病院の箱庭の桜開花
H30年の3月中旬に、病院の箱庭にもこの寒風をものともせずに桜が開花した。桜を見ると1年が順調に過ぎているのを感じるが、私の年齢も着実に時を刻んでいる。何とか順調に時が過ぎていけば良いが、人生何時、どういう事が起きるのか判らないが、座して待つ
敬天愛人
NHKの大河ドラマ「西郷どん(せごどん」の主人公である西郷隆盛が好んだ言葉である。明治維新の偉業をなしたことで知られる西郷さんであるが、その最後は鹿児島の地で自刃した壮絶な最後であった。島津斉彬に心酔し、日本の現状を憂い、その生涯を大きな目的をもって貫き通したその精神力はど...
黄金のマスク
紀元前993~984年頃のエジプトに第21王朝、アメンエムオペト王の治世があった。わずか1mmの厚さの黄金のマスクである。信じがたい技術を3000年のかなたの昔に持っていたとは!ファラオにしか作ることが許されなかった黄金のマスクも今はほとんど残っていない。そしてツタンカーメ...
ラスコー洞窟の壁画
5万年前から4万年前まで中期旧石器時代のネアンデルタール人の次の後期旧石器時代の4万年前から1万5000年前にかけてクロマニヨン人が登場しました。クロマニヨン人は、人類として初めて最初に絵を描いた集団の一つとみなされています。今から2万年前にフランス南西部のヴェゼール渓谷に...
正常圧水頭症 30年の脳神経外科・有床診療所『だからこそ』
正常圧水頭症。いわゆる手術でなおる認知症として、近年注目を浴びております。しかし『Treatable』(治る) 認知症といえども、それほど単純ではありません。正常圧水頭症の3徴候は歩行障害、物忘れ、尿失禁と言われますが、そこには腰の病気、膀胱の病気、年齢的な物忘れやアルツハ...
大都会の夕暮れ
学会で東京を訪れた。ホテルの一室から撮った夕暮れの写真である。薄れていく青空にほんのりと射す夕日の紅色のコントラストが綺麗であった。日頃の激務の合間をぬって訪れたが、しばし眺めていると、 日頃の激務の疲れが少し癒された。たまには、病院を離れて、違う空間に身を置いて自分を見つ...
ハウステンボスの夏の花火
夏の風物詩は何といっても花火ですね。パッと開いてドンとなる。そしてパッと消える。人の人生そのものです。そのうち、私もこの世から消えるでしょう。花火が人を感動させるのは、音や光の強さだけでなく、「美しさ」を同時にもっていたからです。大きく空に色とりどりの花を拡げるために欠かせ...
紫陽花
アジサイは土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わり、一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われている。当医院の庭にもアジサイが咲き、梅雨が終わり、初夏の季節が待ちどおしい。診療の合間に眺めて、神経と体力の疲れを癒し、ホッとしている今日この頃である。